「Bored Ape Yaught Club」は、今年最も人気のあるNFTコレクションの1つだ。間違いなく、この新しい種類の暗号資産を取り巻く中心のニュースの一つを担っている。ステフ・カリー、ポスト・マローン、ジミー・ファロンなどのビッグネームもその一員。現時点では、参加費は52ETHまたは21万ドル(約2,400万円)で、権威ある「Bored Ape Yaught Club」に参加するための最低価格だ。
それゆえ、土曜日に偶然にも自分の大切なものを、わずか3,066ドル(約34万円)で売ってしまった人がいたことは衝撃的だ。
この取引の背景にある原因は、誰かが間違ったアイテムまたは間違った金額でオンライン取引を行うときに発生する「ファットフィンガーエラー」に他ならない。NFTの所有者である「Maxnaut」は、自分のBored Apeを「75ETH」で出品しようとしたが、誤って意図した価格の100分の1で出品してしまったのだ。
買い手は遅れることなく購入し、取引を迅速化するために3万4,000ドル(約387万円)の追加料金を支払った。自分より先に購入する人がいないように、あらゆる手段を講じたのだ。しかしボットが取引を実行したようだ。所有者は、このようなボットをプログラムして、価格が一定水準以下になったときに自分に代わってNFTを購入し、取引で利益を得ることができるのだ。
結果的にボットがガス料金として8ETH以上のトランザクションを処理してしまったため遅すぎた。これにより、当然彼はキャンセルすることができず、25万ドル(約2800万円)は消えてしまった。
このような災難は、伝統的な金融でも起きているが、当局が時間通りに警告すればコントロールできたことである。しかし暗号通貨は非中央集権的なので、取引を取り消すのは買い手次第なのだ。ここ数年のうちに、暗号取引では多くのファットフィンガーのミスが話題になったが、2019年には、米ドルに裏付けられた暗号通貨であるテザー社が、50億ドル(約5,687億円)分の新規コインを誤って作成した事例もある。
この1年でコレクションが価値を高めたため、同様の事象がNFT市場でも見られた。例えばCrypto Punk NFTは、小さなミスのために1万9,000ドル(約216万円)ではなく、1,900万ドル(約21億円)で販売された。8月に2万6,000ドル(約295万円)で販売されたBored Ape NFTが、バイヤーによって15万ドル(約1,700万円)で転売された。
とはいえ、この業界は比較的新しいのため、ミスはつきものだ。人は、状況をコントロールできないときは、忘れて前に進むしかないということだ。